Column ーコラムー

2023.07.12

日焼けしてしまった時の初期対応、脱毛はいつ受けられる?

日焼けのデメリット

 光脱毛は、毛と皮膚のメラニン(黒い色素)の量の違いに注目して、なるべく毛だけを加熱するようにして行われます。日焼けして皮膚のメラニンが増えてしまう(黒ずんでしまう)と、毛も皮膚も加熱されてしまいます。

 黒ずんだ部位に対して光脱毛をする場合は、いくら皮膚の冷却をしながら施術したとしても火傷する危険が大きくなりますので、少ない光でも深いところに届きやすい波長に変えてレーザーの出力を下げるなどの対応を取らなければなりません。

 そうすると、痛みが強くなるだけでなく、長期減毛の効果も下がってしまいます。  そのため、光脱毛するうえでは日焼け対策は欠かせません。

日焼けと紫外線

 日焼けは、細胞の中に入ってきた紫外線が水分に当たって活性酸素を作り、それが細胞を障害することで起きます。

 これを防ぐべく、

◎紫外線を浴びる量を減らす

◎紫外線を浴びても皮膚の中に入れない

◎体内に紫外線を入れても日焼けをさせない

という対策が考えられます。

 ①について、日差しが強い日の外出時に気を付ければいいと思われがちですが、落とし穴があります。晴れの日に対して、曇りの日差しは80%、雨の日でも50%あるといわれています。波長の短い紫外線は、可視光線より雲や雨の水分に吸収されにくい性質をもっているため、悪天候であっても見た目ほどには紫外線の日差しは弱くなっていません。また、暑い夏場がもっとも日差しが強いと思われがちですが、紫外線が最も強いのは、太陽ができるだけ真上に来る(紫外線を散乱させる大気を光が通過する距離が短い)季節、すなわち夏至の6月下旬になります。曇りがちな梅雨~梅雨明けの時期こそ、最も気を付けなければいけないというわけです。

 ②について、日焼け止めを使うのが効果的です。日焼け止めの強さは「SPF」(何も塗っていない場合と比べて何倍長く同じ量の紫外線を浴びても日焼けしないかの数値)を基準にします。SPFはお肌の1㎠あたり2mgという量で測定しますので、びっくりするくらいたっぷり塗った場合の数値です。しかし、夏場には、べとつきを嫌って薄く塗ったり、汗で流れても塗りなさなかったりすることが多いため、実際の使用方法の下では、商品パッケージに書かれている効果を実感できないことが多いです。そのため、SPF値が高いものを塗っていたとしても、陽に長時間当たらないように注意する必要があります。  ③について、「飲む日焼け止め」というものが昨今流行しています。効果が全くないわけではありませんが、日焼け止めを塗ることに比べたら、効果はかなり弱いので、気休め程度と考えた方がいいです。

それでも日焼けしてしまった時の初期対応

 黒ずみ(炎症後色素沈着)は、炎症の強さ、期間の長さに応じて強くなります。

 そのため、とにかく早くしっかりと炎症を抑えるのが大事になってきます。

 皮膚炎を抑える治療は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬です。ステロイドには色々な副作用がありますが、塗るという使用方法かつ1週間以内であれば、副作用はほとんど問題とならないとされています。

 皮膚科を受診して処方を受けることをおすすめしますが、受診する余裕がないときは、市販薬の塗り薬で対応します。 ステロイドの塗り薬には5段階の強さがあります。顔と首にはⅣ群:Medium/Mild、VIOはⅢ群:Strong、その他の全身にはⅡ群:Very Strongが一般に適切だといわれています。ただし、市販薬はⅢ群:Strongまでしか販売できないことになっていますので、その他の全身にもⅢ群:Strongを塗ることになります。ただし、これも日焼け止めと同じで、ティッシュが引っ付くくらいベトベトに塗らないと本来の効果を発揮しないといわれています。ステロイドは、中途半端にダラダラ使うのではなく、短期間にしっかり使うのが定石とされています。過剰に恐れずにしっかりと塗りましょう。炎症を長引かせないことで、その後の黒ずみの程度を軽減することが大事です。

日焼けをした後、脱毛はいつ受けられる?

 赤みがなければ、照射可能です。ただし、黒ずみが強い場合は、出力を下げなければならないことが多く、長期減毛の脱毛効果が落ちてしまうことが多いため、黒ずみが薄くなってから照射した方が望ましいです。

 もっとも、それだと照射間隔が空きすぎてしまい、長期減毛の脱毛効果が落ちてしまうことが多いです。

 そのため、やはり日焼けをしないように事前の対策をしっかりするのが一番大事になります。